心の考動 こころのこうどう
もう、会えないと思った大切な人
幻でも会えたら幸福なのに、
視線が合い、話をし、触れ合えたら
どんなに幸せな事なんだろう・・・
たとえ一時の触れ合いでも・・・
深夜にアークエンジェルとの通信により、
早朝より慌ただしく情報と人の動きがある中、
会議しつに集まった首長代表室は外とは違い静まりかえっていた。
ウズミを始め、代表を勤めるホムラ、カガリ
そしての秘書兼教育係を勤めるが
口を閉ざしたままを見ていた。
4人の視線を受ける中真剣な眼差しを保ち
「ウズミ様の配慮は嬉しいです。
ですが、もう会う必要は無いと思います」
ハッキリと告げる言葉に横に座っていたカガリが驚きの表情を見せたが、
すぐさま怒りを見せ
「兄弟として一緒に過ごしたんだろ!
それなのに、会う必要が無いだなんておかしいぞ!
キラだって会いたいと思もってるはずだ。
それなのにお前は!?」
一気に言う言葉を真っ直ぐ受けるの視線に、
最後の言葉を飲み込み口を閉じると
「確かに兄弟の様に仲が良かった」
「だったら!」
まっすぐとした眼のまま言う言葉に、すぐさまカガリが反応を返すが、
「だからと言って、いつまでもとして会うにも限度がある。
カガリはソウとは思わない?」
の言葉に再び口を閉ざした。
「アークエンジェルに搭乗しておるなら、
いずれ会わねばならぬ時がこよう・・・
その時どうするのだ?
いつまでも会わない、と言う事はないぞ」
低い声に引き寄せられるようにカガリの前に座っている、
人物に視線を動かし言葉を聞くが
「必ず、その時がくると思います。
その時には『人違い』と、でも言うつもりです」
先ほどとなんら変わりのない、の態度に
「それは逃げなのではないかね?
確かに、ソウ言えばトモエは良いだろう。
だが、今まで一緒に過ごし、戦争に巻き込まれ離れれば心配もする。
その心配は、トモエも解っているはずであろう」
一言一言、言葉に篭めた思いを表すように、
ゆっくりと作られる言葉には頷く
「確かに、言葉、態度、全てに責任がかかってくる立場になってしまった今、
として過ごし出会った人達に合い、
その反応を目の当たりにするのは不安に思うであろう。
だが、切り捨てるような事をするのはイカン。
気持ちを整理し、会うがよかろう」
必要な場はコチラで用意しょう。
ウズミの言葉に手をきつく握り締めると、深く頷き
「解りました」
決心を固めたのか、ウズミの言葉に是と返すと、
ウズミとカガリは納得をしたのか、部屋を出て行き、
ホムラとが部屋に残った。
お互い言葉は無く、時々手に持つカップの置く音がなる空間の中
「最近はどうだ?」
低い声が室内に静かに響くと
「仕事にも少しですが慣れてきましたが、
まだ、さんに怒られてます」
かけたれた言葉に戸惑いながら、
目の前に座っているホムラに答えを返す。
「そうか…」
の答えに頷き、
テーブルに置かれているカップを持ち喉を潤すと再び口を閉じ、
声の無い空間が広がり、お互い目を合わせず置かれているカップに口を付けていると
遠慮が感じられる小さなノックが聞こえ、ホムラが入室の許可を出すと
が入ってきた。
「トモエ様、そろそろお戻りいただけますか?」
事務的な声と言葉には頷き、
座っていたソファーから立ち上がり
「では、失礼します」
礼と共に挨拶をすると、ホムラに背を向け部屋を出
を後ろに付け絨毯がひかれている廊下を
歩き自室へと入ると、大きすぎるイスに
座り机の上に置かれている書類を手に取り
1枚1枚、目を通していく。
「アークエンジェルが、入港しましたか・・・」
印を押し、各部署へと返される書類をに手渡し
確認をして入る中、の言葉に
「はい。
サカキ一佐が確認したとの事です」
書類からへと視線を動かし
言葉を返す。
「では、怪我人は医務室へ?」
「なんとか一命を取り留めたと、
報告を受けております」
心配そうに目の前に立つを見上げると
微笑み大丈夫だと言葉に、ホッと肩の力を抜き微笑み返すと
「そういえば、先程ホムラ代表首長と御一緒でしたが
何かお話しは出来ましたか?」
手に持っていた書類をファイルに挟み
苦笑しながら問うと
「それが、『最近はどうだ?』と聞かれただけで、
後は・・・」
同様、苦笑するに
「父親としてどう接すればいいのか、戸惑っておいでなんですよ。
トモエ様は年頃の女性ですから、
何を話せばいいのか解らないのかも知れませんし」
気休めの言葉とも取れる言葉を返すと、
は苦笑し
「そうでしょうか?」
他に何かあるのでは?
そう意味を込め返す。
「確かに、外に出れば仕事としてトモエ様と同じ歳の方と話をする事もありましょう。
ですが、トモエ様は家族なのです。
何を話せば、どう返事を返してくれるのか解らないので
言葉のかけようがないのです。
ですから、今度はトモエ様から声をかけてみては如何ですか?」
「私からですか・・・?
頑張ってみます」
の言葉に相槌を打ち、
真剣な表情で決意を表すと、は微笑み
「では、私は書類を渡してきますので、
その間、休憩をしていて下さい」
に礼をし部屋を出て行くと無音が広がるが、
ゴンと言うぶつかる音が響いた。
「イタイ…」
机と額を合わせに伏せているの声が響き終わると無音が広がるが
「酷い人間だよね、私て・・・」
力無く呟かれた声に
「他人のフリをするだなんで出来もしない事を良くも言ったよね・・・
本当にバカだよ・・・・」
机に額を付けたまま呟かれる声は、
段々涙声になり語尾になるに連れて声が掠れ出していた。
額から左頬へと机との引っ付き場所を代え、
伸ばした右手でスイッチを押しモニターの電源を入れると
破損部分や焼き焦げた後があるアークエンジェルが映し出された。
「真っ白な機体だったのに…」
様々な角度から映し出される機体は、
モルゲンレーテの従業員が修理に勤しむ姿も映し出されていた。
「中にいるんだよね…」
指で映し出されているアークエンジェルを、撫ぜる様に画面を触っていると、
ノックが聞こえ返事を返すとが戻り
「パナマが落ちました」
深刻な表情で告げる言葉にも驚きを隠せず、
アークエンジェルが映し出されていたモニターを切り替えると、
怪我をし包帯に巻かれた兵士がベットに横になり苦痛の表情をしている姿、
忙しく走り回る兵士、包帯に巻かれ点滴を受け寝ている少年に
祈るように見つめる母親の姿が映し出され、
最後にはスーツを着た人物がマイクを通し熱弁を奮う姿が映し出された。
目まぐるしく変わる世界に、思考が追い付かずにいると
「アラスカが落ち、連合最後の砦であったパナマも落ちました。
これでは月にある連合軍基地には地球からは行けなくなりました」
「これではプラントを攻撃する戦力が補充できず、
最悪の場合連合はザフトに敗北することになる。
そうですよね?」
堅さがあるの言葉を繋げる様に、
が言葉を言うとは頷き
「今から世界は目まぐるしく変わるでしょう。
そして、このオーブも」
「はい」
「その時は冷静な判断をお願いします」
真剣な眼差しのまま、深く頷くと
から書類を受け取り目を通すが
「ストライクをアークエンジェルに返す?
確かストライクのOSはナチュラル用を乗せ代えをしましたよね?」
「はい。返してもヤマト少尉にはフリーダムがありますので、
パイロットはフラガ少佐になると思われます」
「そうですか。
アークエンジェルもストライクがあれば何かと安心でしょう。
許可を出します」
から視線をキーボードに移すとキーを打ち画面を切り替え、
直にエリカに届く様に返事を返すと、
残りの書類に目を通し
「かなりの破損があったのですね…」
「アラスカ防衛ですから、ザフトもデュエルを始め
総力を集めての戦いだったのです。
無事オーブまでたどり着いたのが奇跡と言えましょう」
「そう、ですね…」
どこか影を落とし返事を返し再び書類に視線を戻すと
も席へと戻り作業の続き部屋に重みがある空気が広がり出した。
数時間、仕事をしていると沈黙を切るような電子音が鳴り響き
が対応すると
「トモエ様、シモンズ主任が演習場を使いたいとの事なんですが」
「演習場を?
こちらに回して貰っても宜しいですか?」
「解りました」
短いやり取りの後、机の上に置かれた電話の受話器を取り
「代わりました、トモエです」
聞こえてくるエリカの声に短く返事を返す
「フリーダムとストライクの模範練習ですか?」
「そうですね。
解りました、許可を出します。
が、規定は守って頂きます。その事を伝えて下さい」
「では、お願いします」
言葉を言うと受話器を置き、
目の前に立っていたと視線を合わし
「やはり、フラガ少佐がストライクのパイロットだそうで・・」
「感覚を覚えたい、と言う事ですか」
の言葉を引き継ぎが言うと頷き
「仕事が速く終わるようでしたら見に行こうと思います」
処理の終わっていた書類をに差し出し言うと
「解りました。
スケジュールの調整をします」
手渡された書類を受け取り
自分の席に付くと、ネガネをかけPCを動かし出すと
再びキーを叩く音だけが部屋に響いた。
「では、まいりましょうか」
重ねられていた書類を処理し印を押し、
疑問点などは改善をされてから再び提出の指示を出し
デスクワークを終わらすと、席を離れを伴い廊下を歩き
モルゲンレーテへと入り、演習場へと入ると
白い機体がサーベルを振り合い、モーター音を出していた。
激しく動き回る機体を視界に入れながら
ゆっくりと近づき、防護ガラス近くまで近寄ると
演習を見守っていた3人の女性がの存在に気付き
機体から一斉にへと視線を向けるが
言葉をかける事もなく、再び機体へと視線を移した。
ぎこちない動きながらも応酬を繰り返すストライク
防衛と中心とした動きを見せるフリーダム
初心者と慣れた者との動きに違いがあるものの
すぐさま感覚を覚えたのか、スムーズに動くストライクに
フリーダムも防衛だけではなく攻めを加えだし
息を呑む時も多々出始めるが
フリーダムの動きがストライクより早く、采配が解りだした頃
「この白い機体が、ZGMF−10Aフリーダムですか・・・」
呟かれた言葉に
「はい、Xナンバーの技術を中心とし、
ザフトの技術を上乗せし開発したモビルスーツです」
エリカの言葉が返り
「では、パイロットはザフトからフリーダムに乗り
大気圏を越えて地球へと降下してきたという事ですか?」
「はい。
キラ君の話ですと運用艦を使わず、
フリーダムのまま降下したとの事です」
再びが言葉を言うと、
今度はマリューが返した。
「耐久性・・・
いえ、他もストライクより上という事ですか・・・・」
考え込んでいるのか、視線は動いているフリーダムとストライクを捕らえ
低い声で漏れたの言葉に返事はなく、
誰もが2体のモビルスーツを見ていると
「シモンズ主任。
何かあれば連絡を下さい。
それと、カガリ。
何か彼らから、要望があったらカガリが判断をしてあげて。
私を通さなくていいから」
数分間、見学をしたはそう言葉を残し
2体のモビルスーツに背を向け演習場から出ると
来た道を再び歩き自室へと入り席に付くと
「プラントが高度な技術を持っているのは解っていましたが、
こう短期間でアレ程の物を作り上げるとは・・・」
驚きの色を濃くした言葉がから漏れると
「大気圏の摩擦から請じる高温を防ぎ、
エネルギーの補充を必要としないNジャマーキャンセラーを使う・・・
ザフトにはフリーダムと同じモビルスーツが生産されているのでしょう」
苦渋の表情でが言葉を返すと
「アラスカを落し、パナマまで落したザフトが
何故核を使わざるえなくなった。
それほどプラントの情勢が悪化している戦況なのでしょうか?」
硬い声でへと質問をぶつける
が、
「どうでしょう・・・
今、プラントでは穏健派のシーゲル・クラインからタカ派のパトリック・ザラへと政権交代し、
今や『コーディネイターこそが新たな種』だと考えを持っています。
もしかすると、戦争と言う名のナチュラル排除を考えているのかもしれません」
宇宙へと追われてしまったコーディネイターが
ナチュラルを良く思っていないのはオーブの国民が心理的に解っている。
現に、オーブにも問題として出て来る時がある。
だが、プラントに住んでいる者には
このオーブはどう写っているのだろう?
戦場報告を聞く度に脳裏に浮かぶ疑問は
今まで言葉として外へと出さなかった。
戦争の原因の1つなのかもしれない・・・
良く考えはしなかったものの
なんとなくソウ考えて、行き着いた答えだった。
『剣を飾っておけ無くなった』
キラからの質問にウズミが答えた言葉が脳裏に浮かび
「ウズミ様の『剣を飾っておけ無くなった』と、
言う意味はソウ言う事ですか」
「オーブとて中立を保っていますが
この先、どうなるか解りませんからね」
「そうですか・・・・」
トモエから引き渡された、
穏やかな表情でトモエの相手をしていたパトリックの思い出に
目を閉じ、思い浮かべ今との違いに戸惑いを感じるが
原因を解ってるにとっては、パトリックの思いに疑問と考え直ぐでは?
と思うしか出来なかった。
誰もが最愛の人を無くせば嘆き哀しむ
ナチュラルだろうがコーディネイターだろうが
人として生まれ心を持っていれば当たり前の感情
嘆き悲しみ、そして恨む
だが、復讐など実行してしまえば嘆き悲しみは繰り返され
止まる事はない。
人がいなくなるまで繰り返され
人類はいなくなるだろう・・・
ダレかがドコカで止めなければならない・・・
でも
嘆き悲しんで、恨む事をしない人がいるだろうか?
その人は、とても心が強い人で
周りの人達が優しい人達で・・・・
私は、そんな心強い人になれる?
嘆き悲しんでいる人に優しくしてあげられる?
『恨むな』など言ってあげられるだろうか・・・・
嘆き悲しみを怒りに変えたパトリックに
自分が説得する事は出来ない・・・
他人が
そう言われ
何か解る!?
言われても解らない
パトリックととの人として違う様に
気持ちも思い方も違う
でも、として過した日々にパトリックとアスランの最愛の人と
交流を持ち、彼女が居なくなった事をオーブで知り
悲しいと思った。
悲しい気持ちは一緒
その悲しい気持ちを怒りに変えるか
乗り越え、心の力に変えるか
繰り返されるか、止まるか
人としての心の強さが本当に戦争を終わらせる事が出来るのかもしれない
武器ではなく言葉で終わらせる事が・・・
もし・・・
もしも、オーブでその時がくれば自分も力になれるだろう
その為に、多くモノを見て感じて、考え
自分を強くしよう・・・
終結を迎える時は必ず来るのだから・・・
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
第17話
そろそろ宇宙へ行こうと思いますが
先は長そうです・・・
2003 11 10